ニュージーランドの小学生ってどんな勉強しているの?
長女は2023年夏(7月半ば~8月末まで)の間、オークランドの公立小学校に通っており、Grade 2(日本では小学校1年生ですが)に在籍しています。
今回は、娘が通っているニュージーランドの公立小学校(Grade 2)でどんなことを勉強しているかについて紹介したいと思います。
少し長くなるのでPart ①とPart ②に分けました。
一クラスの人数は?
エージェントからは、「一クラス20名~30名弱」と聞いていましたが、なんと長女が入ったクラスには48名の生徒がいました。いきなり留学生・日本人一人で48名のクラスに入ったので(日本で通っているインターは一クラス14名)、娘も最初は戸惑っていました。
どうやら、何ら特殊な事情があり元々別のクラスだった2クラス合同で授業を行うことになったようなのですが、それぞれに担任の先生もついていて(先生2人)、アクティビティによっては2つのクラスに分かれることもあるということでした。
スケジュール
学校の一日の流れ
8:30 | 学校の門が空き、クラスルームに入れます。 親も一緒にクラスルームで子供の様子を見たり、先生と話したりできます。 |
8:50 | ベルがなり親は学校を去り、子供たちは授業の準備をします。 |
8:55-10:30 | 【Block1】 「ブレインスナック」を食べながら朝の会 みんなで歌を歌う 午前の授業 |
10:30-10:50 | 「モーニングティー」・休憩 |
10:50-12:30 | 【Block2】 午前の授業の続き |
12:30-13:15 | ランチ・お昼休み |
13:15-14:00 | 【Block3】 午後の授業 |
14:00-14:15 | 午後休憩 |
14:15-15:00 | 【Block4】 午後の授業続き |
15:00 | 授業終わり |
ランチ・お昼休み以降の内容についてはPart②で記載予定です。
【Block 1】ブレインスナックを食べながら朝の会
日本人にとっては衝撃的な「朝の会」の様子
チャイムが鳴ると、子供たちは急いで自分達のカバンから「ブレインスナック」なるものを取り出し、各々好きな場所(床)に座ります。別記事でもご紹介しましたが、教室には生徒ごとの決まった椅子や席は存在せず、床にカラフルな●が付いていてそこに座ります。
「ブレインスナック」とは、低学年限定の子供たちの集中力を高めるための食べ物のことで、生徒たちは毎日、フルーツや野菜、ドライフルーツ、ナッツやポップコーン(!)を自宅から持参します。
これを食べながら、先生による出席の確認や、一日の予定の説明を聞くようです。右側の写真のような、大きなスクリーンに映し出された予定表を基に先生が説明します。
みんなでマオリ・好きな歌を歌う
朝の会の後、先生と生徒でマオリ語の歌を歌うようです。娘の学校にはマオリ系の生徒は少人数のようですが、マオリの文化(ハカ含め)や言葉、歌を学ぶ機会が多くあり、これは、ニュージーランドの義務教育の一環のようです。
長女がよく家でマオリの歌を歌うようになりましたが(弟も覚えて一緒に歌っている)、なんだか元気になるリズム・音楽で素敵です。
マオリの歌の後に、生徒達が自分達で歌いたい曲を選び、大きなスクリーンに動画を映し出し、みんなでノリノリで歌って踊るようです。
当初長女から話を聞いたとき、私はパウパトロールの曲など、子供の曲を想像していたものの、なんと、Katy Perryとか、Bruno Mars、P!nkの曲等のようで、長女は毎日新しい曲を覚えて帰ってきます。(ある意味英才教育!)
その後、日によるらしいですが、みんなで外に出ておもいっきり走り回って教室に戻ることもあるようです。元気・・・!
午前の授業
内容は日によって変わるようですが、「アート」や「工作」に割く時間が日本よりも圧倒的に多いです。しかも先生たちが生徒たちが楽しめるように色々な「演出」をしてくれます。
例えば、ある朝学校に登校したところ、教室のドアが閉まっており、ドアには「教室には入れません」との張り紙が。すべての窓は白い紙で覆われていて、中で何が起きているのか全くわからない状況。
生徒達は廊下で「何があったの?!」とキャーキャー大騒ぎで、先生に聞いても、「私たちも何があったか全くわからない」とおとぼけ顔。
どうやらその日は先生たちが生徒にサプライズを準備していたようで、教室の壁・柱・窓・床全体に紙が貼ってあり、教室すべてをキャンバスにして思う生徒達が存分お絵描きをするという体験をしたようです。だ・・・だいたん!!!
生徒達は教室に入るなり、大はしゃぎでマーカーや筆を持って思い思いの絵をあちこちに描いていました(先生が動画を共有してくれました)。
その後、教室全体を「美術館」に見立てて保護者も生徒達の作品を楽しむことができました。
これまた別の日も、地元のストリートアーティストを招き、生徒たちの目の前で実演をしてもらった(生徒達もスプレー缶でストリートアートにトライした)ようです。
自由な発想で様々な形の「アート」を教えてくれるニュージーランドの教育はとてもユニークで面白く、子供たちのクリエイティビティを思う存分刺激します。
教室のドアには”Creativity is as important as literacy.”というQuoteが貼られており、いかにクリエイティビティ教育を重視しているかが伝わってきます。
モーニングティー・休憩
「モーニングティ」といっても、お茶会のように上品にお茶を飲む時間ではなく(そもそも「ティー」は出てこない)なんと、教室の外(廊下)で果物や菓子パン、ビスケット等のおやつ(またか!)を食べる時間です。
おやつを食べたらすぐに外に出て思いっきり体を動かして遊びます。(教室の中に残る子はいないようです。)
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、保護者は毎日、ランチだけでなく、モーニングティーで食べる物とブレインスナックも用意する必要があるのです。
ただ、カットフルーツをランチとは違う入れ物に入れたり、ビスケットをジップロックに入れたりするだけなので大した手間はかかりません。お弁当の一部をモーニングティーで食べる子もいるようです。
【Block 2】午前の授業の続き
Reading/Writing
日によって内容が違うようですが、ReadingやWritingの授業もあるようです。
Readingではフォニックスをやっているようですが、個々の生徒の学習進度に合わせていくつかのグループに分かれて学習するようです。
長女は日本のインターではReadingの成績は平均レベルですが(他の生徒よりも1年遅れて入学したのでやっとキャッチアップできた状況)ニュージーランドの小学校のクラスでは、Placement testの結果、一番上のレベルになったようです。WritingやReadingの「お勉強系」は日本のインターの方が少しだけ進んでいるのかもしれません。授業は数人のグループで一緒に本を読み、先生が本の内容について質問をして、キャッキャとみんなで答えているようです。
Math(算数)
算数の授業では、現在Fraction(分数)を学んでいるようです。日本では小学校4年生で教えるということなので、ニュージーランドの方がやや進んでいるようにも思えますが(Grade 2=日本の小学校1年生なので)「勉強として教える」「覚えさせる」というよりは、これまたクリエイティビティを発揮して、1/2とは、1/4とは、と、感覚で感じさせるような授業になっているようです。
長女の感想
続きはまたPart②で紹介しますが、長女に「学校でどんなことを勉強しているか教えて」と聞いたところ(↑のような説明はしてくれますが)
ニュージーランドの学校では勉強はしないよ。楽しく遊んでいるだけ。
ということでした。
もちろん、ReadingやWriting、Math等のお勉強もしているものの、先生たちがCreativityを発揮し、色々な仕掛けをすることで、生徒たちは「今日は一体何をするんだろう?」とワクワクしながら授業を受けていて、勉強をしているというより「遊んでいる」感覚のようです。