ニュージーランドの小学校ではどんなことを勉強してるの?
長女が夏休み期間中滞在しているニュージーランドの公立小学校(Grade 2)でどんなことを勉強しているかについてご紹介いたします。
Part ①では午前中のスケジュールについてご紹介したので、Part②では午後のスケジュールについて主にご紹介いたします。
スケジュール(おさらい)
ランチ・お昼休み前までの内容についてご興味のある方は、是非Part①もご覧ください。
8:30 | 学校の門が空き、クラスルームに入れます。 親も一緒にクラスルームで子供の様子を見たり、先生と話したりできます。 |
8:50 | ベルがなり親は学校を去り、子供たちは授業の準備をします。 |
8:55-10:30 | 【Block 1】 「ブレインスナック」を食べながら朝の会 みんなで歌を歌う 午前の授業 |
10:30-10:50 | 「モーニングティー」・休憩 |
10:50-12:30 | 【Block 2】 午前の授業の続き |
12:30-13:15 | ランチ・お昼休み |
13:15-14:00 | 【Block3】 午後の授業 |
14:00-14:15 | 午後休憩 |
14:15-15:00 | 【Block4】 午後の授業続き |
15:00 | 授業終わり |
ランチ・お昼休み
ニュージーランド・オーストリアで子供に大人気のSMIGGLEのランチセット
オーストラリアやニュージーランドでは子供たちにSMIGGLEというブランドの文房具やバッグ等が大人気のようです。
ユニコーンや恐竜など、子どもが大好きなキャラクターのグッズが多く、色合いもカラフルでとてもポップなデザインです。
長女用にもスクールが始まる前に、Westfield Albany Shopping Centerというところで、SMIGGLEのランチボックス(なかなか巨大)・ランチバッグと水筒一式をゲットしました。
https://www.westfield.co.nz/albany
ちなみに、こちらの水筒はそのままチューチュー吸うタイプのものが多く(キャップなどはない)その辺は衛生的に心配でしたが、とりあえず郷に入っては郷に従えで、これを使いました。
どんなものを入れるの?
サンドイッチ、ハンバーガー、のりまき(現地の子に大人気)、菓子パン、果物、野菜スティック等を持ってくる子が多いようです。
我が家は長女と吟味の末、ハムチーズサンドイッチとブロッコリー・コーン・トマトとフルーツ(イチゴ・キウイ等)を定番メニューになり、朝5分ぐらいで作っていました(ニュージーランドの保護者の平均ぐらいと勝手に推察。)
ランチの時間はどんな雰囲気?
ランチもみんなでワイワイ話しながら教室の外で食べるようです。長女いわく
みんなめちゃくちゃ食べるのが早いの!!
ということで、みんな、早く遊びに行きたいから、とんでもないスピードで口の中にランチを放り込むらしいです。
ただ、学校も(そんな生徒達をよく理解していて)ちゃんとランチを食べてもらうためにも、ランチ時間の最初の15分は遊ばないでランチを食べる時間にしており、その後「遊んでもいいよ!」というサインのベルがなるそうです。
ベルが鳴る前からみんな「よーいドン」の格好して遊びに行く準備してるよ。
ニュージーランドの子供たちは、何よりも遊びにハングリーなようです。
Block 3 午後の授業
選択科目(ダンス・歌・演劇)
曜日にもよるようですが、午後には選択科目の授業もあるようです。自分で参加したいプログラム(長女曰く、ダンス・歌・演劇から選択できるようです)を選んで参加するようで、娘はダンスを選択していました。小さいころから学校でも「自分で学びたいもの、好きなものを選ぶ」体験ができるのはとてもいいことだな、と思います。
時々発表会もあるようで、そういった機会も子供たちの自己肯定感を高めるきっかけになると思います。
PE(体育)
サッカーをしたり、長距離走を走ったり(マラソン大会もありました)、鬼ごっこをしたり、とにかく楽しみながら体を動かす授業が多いようです。
それだけでなく、庭で泥んこ遊びをしたり(泥で巨大な「雪だるま」を作ったり・・・)庭の大きな木で木登りをしたりなど、自然で遊ぶ機会もたくさんあるようです。
ニュージーランドの子供たちの中で(裸足も多いのですが)毎日長靴で登校してくる子が結構います。最初は「昨日は降ってたけど、今日は雨降っていないのに何でだろう」と思っていましたが、途中で理由が分かりました。とにかく毎日泥だらけになるんです!!
午後休憩
午後休憩も思いっきり外に出て遊ぶらしいです。
メリハリがついているニュージーランドの生徒達
長女の話や先生の話を聞いていると、あまりにも自由なので、長女に
休み時間から帰った後、授業中もみんなおしゃべりしたり、立ち上がったりしてにぎやかなの?
と聞いたことがありますが、長女曰く
休み時間はおもいっきり遊ぶけど、授業になったらみんな静かに先生の話を聞いているよ。
と言っていました。
同じエージェントを通してきていたY君(普段は日本の公立小学校の一年生)も、ニュージーランドの小学校で一番びっくりしたこととして、「日本の小学校では、先生が『静かにしなさい!』って怒らないと静かにならないのに、ニュージーランドでは先生が怒らなくても静かになる。」と言っていました。
ルールがたくさんあって「原則不自由」な日本の小学生と比べて、ニュージーランドの小学生は「原則自由」だからこそ、限られた「不自由」/ルールを自らしっかり守れるのかもしれません。
Block 4 午後授業の続き
全校生徒の集会でハカ・表彰
毎週水曜日には全校生徒が集まる集会があるようで、そこで全員でハカの練習をするようです。かなり真剣に練習するらしく、抜き打ちで選ばれた生徒が舞台の前に出て、みんなの前で披露することもあるようです。
その後、各学年の先生が選んだ生徒達が前に出て、校長先生から表彰状をもらい、全校生徒が拍手でその生徒を讃えます。
表彰される理由は多種多様です。長女も一度、「自分自身、学校に来て間もないのに、他に新しく学校に来た生徒を助けようと頑張っている」ということで表彰され、とても誇らしげでした。
先生たちが、一人一人の良さや頑張りをしっかりとみて、認めてくれており「●●で一番の成績だった」とか「XXで優勝した」等ではなく、何気なくやっている普段の行いをみんなの前で褒めてもらえるのは、自己肯定感を高める素晴らしい機会だと思いました。
その後、みんなで巨大スクリーンに映し出される曲を合唱して踊るらしいです。(とにかく歌と踊りが多いです。)
テーマ学習:Keeping Ourselves Safe
通常のReading/Writing/MathやArtの授業の他、テーマに沿った学習の時間もあるようですが、8月のテーマは”Keeping Ourselves Safe”でした。
これは、唯一宿題が出た授業であり(といっても3回だけ)「親と一緒に話し合う」ことも重視されていました。
内容としては、
① まずは自分の住所・電話番号・緊急連絡先を知る
何かあったときに助けを求められるように、親と一緒に自分の住所・電話番号・緊急連絡先を確認し、きちんと書けるか、言えるかを確かめました。
② Feelingについて話し合う
これは、クラス内で先生や他の生徒達とも行ったようですが、どういった時にHappyになるか、Angryになるか、Sadになるか、というのを話し合うというものです。
先生が「こういう時、みんなどういう気持ちになるか、表情で教えて」といい、いろんなシチュエーションを出したところ、Happyな顔になる子もいたり、Angryな顔になる子もいたり、Sadな顔になる子もいたようです。
先生はどれも否定せずに、受け入れ、みんなで、「人によって感じ方が違うんだね!」「それでいいんだよ。」「自分のFeelingを大切にしよう」ということを学んだようです。
③ 自分のBody Partsについて学ぶ
これは私もなかなか面喰った宿題ですが、genitals含め、自分の体の正しい名称を知ろうという内容です。学校でも学び、家でも親と確認するための宿題が出ました。
目的としては、
①病院に行ったときに、医療関係者に正しい名称で説明できるようにするため
②もし何か起きたときに、正確に説明できるようにするため
②正しい名称を使うと共に、自分の体を大切に扱うため
ということでした。
とある本で教育学の汐見稔幸先生が「自分を大切にするためには、まず自分を知ること」と書いていた記憶ですが、まさにこのことだな、と思いました。
ニュージーランドの小学校の教育は「子供たち一人一人を大切にする」内容になっているな、と感じました。恐らく、最近はどこの学校も「子供たち一人一人を大切にする」ことや「個性を伸ばす」ことを重視していると思いますが、ニュージーランドの小学校は、とても「自然に」この考えを体現できているところが素晴らしいと思いました。
授業終わり
保護者は14:55頃から教室の外で待機しています。
かわいい歌声が聞こえてきて、ベルがなった瞬間、元気な子供たち(多くの場合、泥だらけになってたり、服や顔に絵具がついた状態で)が飛び出してきます。
長女はいつも、授業が終わった瞬間すでにお腹がペコペコなので(日本ではそんなに食べる方ではありませんが、ニュージーランドではいつもお腹ペコペコで良く食べます)お気に入りのジンジャーブレッドクッキーをお友達と分けて食べ、晴れた日は学校で遊んで帰ります。
授業が終わった後もしばらく教室は空いていて、保護者は自由に教室で生徒達の作品を見たり、先生とお話ししたりすることもできます。
長女の学校生活(お友達編)
長女がどのような学校生活を過ごしていたかについてはまた別の記事を書く予定です。